テムジン 63MHスピンコブラ
「パワーフィネス」という言葉を流行らせた竿ではないでしょうか。
発売からはもう10年近く経ちますが、当時のバス用スピニングロッドでアクションがMHなんて竿はなかったと思います、今でもそこまで多くはないでしょう…必要性の問題かもしれませんが(笑)
この竿はテムジンのベイトロッド「65Mコブラ」のブランクを切り詰めて、ガイドとグリップをスピニングのものに換装したという何ともふざけた竿です、まさにメーカーの言う「スピニングの皮をかぶったベイト」まんま。
比較対象がないとわかりにくいかもしれませんが、太いラインを使ってもガイドと干渉しにくいように、バットガイドは通常のスピニングと比較してかなり大口径のものが使用されています。
また、PEラインのガイド絡み防止策として、先端から5個のガイドは「エギガイド」が使用されています。
私はこの竿にPE2.25号を巻いたリールを組み合わせ、パワーゲームやカバー周りでの虫パターンに使用しています。
6ft3inというショートレングスは陸っぱりだと遠投にはキツいですが、藪漕ぎして狭い場所で振り回すにはなかなかいいです。
竿の硬さ・糸の太さと相まって、軽いルアーのテクニカルなキャストはさすがに難しいです。それなりの高比重ワームやスモラバ、ちょっと大き目の虫の使用がメインになります。
しかし、バックハンドでスキップさせてオーバーハングの下に叩き込むようなシーンでは、ベイトフィネスより遥かに扱いやすいです。
何より、フィネスなルアーにしか反応しない・しかしベイトフィネスでは打てても獲れないようなヘビーカーバーの中にいる魚に対して躊躇なくアプローチできます。
そこから魚に主導権を与えずに強引なファイトや抜き上げができるのは、足場の制限される陸っぱりにおいてもかなりのアドバンテージです。
私はこの竿ではバスとギルしか釣ったことありませんが、鯉でも雷魚でもナマズでもスズキでも、日本の淡水で釣れる魚だったらこの竿が負けることは恐らくないでしょう。
もちろん周りのカバーの有無にもよりますが、多分スレでソウギョやレンギョがかかっても取り込めると思います…抜き上げるのは無理かもしれませんが(笑)
この竿は千葉のメジャーレイクである亀山湖で生を受けていますが、私がホームグラウンドにしている千葉の野池でも、夏は通常のフィネスが使いものにならないくらい濃い菱藻で水面が覆われるところがあります。
しかし人的プレッシャーも多い関東、ヘビーなベイトタックルでのカバー打ちよりはパワーフィネスの方が獲りやすいのも事実…開発コンセプト通りのそんな状況でまさに最高のパフォーマンスを発揮してくれます。
あまりに用途が限られる、決して使いやすい万能竿ではないので、私自身(特に夏場の)カバー釣り以外では出動させませんが、そのためだけにもなくてはならない竿ですね。
自分の行くフィールドが同じような状況の方、こんなキワモノ竿はいかがでしょうか?
- 投稿者:
- Hiroaki Iizuka